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2018年8月 1日 (水)

**「ミラクルエッシャー展」**

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台風が来る前でしたが、会期終了間近の「ミラクル エッシャー展」に行ってきました。

その日上野の森は、それはもうデタラメな暑さで、じっとしていても息苦しさを感じるほどでした。
その暑さの中、終了近くなのでしょう、結構混んでました。

オリジナルを初めて見たのですがどの作品も思ったより小さくて少し驚きました。

作品(原画)から受ける印象は、それこそなんとも幾何学的で温かみや人間臭さが感じられません。
それなのに見る方の意識を強引に引き込んで行く不思議さは、まさにエッシャーそのものでしたね。

同じ惹きつけると言う点では、私の好きなエゴンシーレの作品(下)も、見る者の目を釘付けにするように「人間の本質」部分に訴えかけてきます。

エゴンシーレは人の持つ三代欲求の一つである「性欲」を、ストレートでありながらも彼なりの洞察によりメタモルフォーゼし、表現しています。

でもこの歪曲は、ある意味「印象派」的な見方でもあると思うのです。
生存欲や高い好奇心という純粋な欲求で、またエロスであっても卑猥ではありません。

子供のようなストレートな、でも屈曲した文学にも近い表現で、人の心の奥底にある「性=命」の部分に語りかけて来ます。

ところがエッシャーの描く世界の中には、人間が持つ根元的な欲求を描き出してはいません。
何かこう、人の不安や、不安定さのような部分にアプローチしてくる「妖しさ」があって、それが多くの人の「不思議」感覚に訴えかけてくるのかなと思いました。

ではなぜ多くの人は、彼が提起する「不思議」に引き込まれて行くのか?

単純に面白いからというのも一つの答えでしょう。
「ではなぜ面白い?」のかです。

ここからは私の解釈ですが、エッシャーの描く絵の中には多くの呪術的要素がふんだんに仕掛けられているのではないかと思うのです。
不条理というものは、どこか人の不安や不安定さを刺激するところがあって、また人というものは往々にしてその不安に自ら近づいてゆく奇妙な性癖を持っています。

「よせばいいのに」と言われる部分ですね。

しかもエッシャーの絵画には幾何学的な図形や直線、曲線が多く使われています。
ある種の幾何学的図形は、それ自体に極めて強い呪術的エネルギーを生み出す力があると感じています。

例えば地球外生命体が描き残してゆく「クロップサークル(ミステリーサークル)」にも、そうした不可思議な図形が表されたり、また古文書や宗教画、民間伝承の中にもたくさんの幾何学的文様が示されています。

おそらくエッシャーは作品を絵描いて行く段階で自分自身の描く幾何学的文様が持つパワーに、自分自身が引き込まれていったのではないかと感じるのです。

特に木版の作品は、世紀末のイラストレーター達(ビアズリーなど)が持つ独特な病的危うさと、整然とした曲線だけで描かれる作品の不可思議が、何かリンクしているように感じるのです。

左がビアズリー右がエッシャー


ちなみに今月から上野では「藤田嗣治」展が控えています。
それは行かねばなるまいて!










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